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第十四章

山月記と人虎伝の異同

 

李徴の性格

 

人虎伝の本章中に特に李徴の性格についての記述がないのに対し、山月記では李徴は大変自嘲的な性格の人物として描かれている。

このことは「過剰な自意識が李徴を破滅に追いやった」と言う事実を強調しており、ここにも芸術家の苦悩、近代人の葛藤を主題とする筆者の意図が感じられる。

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