top of page

High Elevation?

さてここで、カリオストロ公国の地景について考えてみたい。

再掲した宮崎監督の設定構想をご覧戴ければ分るように、

構想図内の文章にある通り、

カリオストロ公国は

ヨーロッパの山岳地帯

に所在する。

また、城の様子を窺うための「アジト」として次元大介と石川五右衛門が滞在する大公邸の様子を描写した2つの場面にも注目したい。

 

1つめは、日中のルパン三世と次元大介がカップ麺をすする場面である。

2人はいつものスタイル、

シャツにネクタイ、ジャケットを羽織っているだけで、

特に冬の防寒着を身につけているわけではないが、

さほど寒がっている様子はない。

これらの点から判断できるのは、

カリオストロ公国は

標高の高い欧州の山岳地帯

に位置している、という事実である。

また、劇中の場面からも検証してみたい。

物語の冒頭、

ルパン三世がくわえ煙草で鳥のさえずりを聞きながら、「平和だねえ」とつぶやく場面。

緑の傾斜をゆっくりと雲が

地表すれすれを流れるように動いて行く。

筆者が暮らしている標高1300mの地域には

よく見られる現象である。

カリオストロ公国は
かなり標高の高い場所に位置することが分る。

 

 

 

さて、カップ麺の話題が出た所で、こぼれ話を紹介しよう。

 

劇中に映される新聞記事の日付から、

「カリオストロの城」の物語は1968年9月初旬〜中旬にかけての出来事を綴ったものだと判断できる。

 

1968年当時には、カップ麺は発売されておらず、(最初のカップ麺は日清食品が1971年に発売) 大公邸から城の様子を窺うルパン三世や、城下で警備をする銭形警部とその部下の機動隊がすするカップ麺は、ルパン・ブランドや警視庁ブランドのオリジナル即席食品だと推察される、という考えは深読みのし過ぎであろうか。

 

 

Trivia of Cagliostro 1

カリ城トリビア1

2つ目の場面は、その2日後の明け方。

次元大介は毛布をかぶって

「ううぅ〜、寒い。」

とつぶやく。

 

これらは9月初旬の場面であり、

城の向こう側には既に雪を戴く峰々が映し出される。

この気温変化は、

高山特有のものであり、

短い夏が9月には終わりを告げる欧州アルプスの気候に近似している。

 

bottom of page